本日は以前描いた下のイラストの背景をどうやって作っているかご紹介したいと思います。
3Dを利用しよう
最近ブログでも3Dのことについて語っていますが上の絵の背景は3Dソフトで作成しています。このくらいの背景なら手描きでも作成できますが、3Dソフトを使ってなんか作りたい気分だったので作成しました。
この背景は気分的3Dソフトで作りましたが、イラスト制作の過程で3Dモデルを作るときは、同じ物体を何回も描くときに作ると効率的かと思います。
一度3Dのモデルを作ってしまえば何回でも使えますので、漫画制作などで何回も同じものを描くときは3Dソフトの導入を考えてみてください。
どんな3Dを使えばいいか?
私が使っているソフトは「Light Wave」です。機能的に高性能ソフトに比べると劣っていますが、モデリングと簡単な撮影をするならこれで十分です。頑張れば高性能ソフトでできることも可能ですので、意外と馬鹿にはできません。
私は「Light Wave」を使っていますが、モデリングができて撮影さえできればソフトはなんでも大丈夫です。
3Dソフトについては以前紹介しましたので、こちらの記事も参考にしてみてください。(撮影できないソフトもあるので下調べは必要です。)
プールを3Dで作っていこう
さて実際に作っていきます。下に手順を記しました。
<資料準備>
・実際のプールの寸法がわかるもの
・プールの写真
この二つのいずれかを満たすもの何枚か集めていきます。
<人物のスケールを作ろう>
3Dソフト上でだいたい165cmで人物のスケールを作ります。
スケールとするだけなんで、適当にネットから人物の全体イラストや写真を拾ってきて、それを下描きにパッと作ってしまいましょう。
人物のスケールを作っておくと作ったものの大きさのバランスがとりやすいです。
<資料の寸法を参考にプールの形を作ろう>
準備が済んだら実際に作っていきます。背景に使うものなので、作り込みすぎに注意しましょう。
①資料を参考にプールの大まかな形を作ります
せっかく頑張って作っても実際に映るのは豆粒みたいなものなので、こだわり過ぎても時間の無駄です。
そのことに注意して飛び込み台やコースロープ等を作成していきましょう。作成するときは資料を参考に人物との対比に気を付けて作りましょう。
「コースロープの元」
「飛び込み台」
「一番奥の柵」
<色付け>
簡単な色付けを行っていきます。
(コースロープの元に色付けしました)
ものすごくしっかり作業するならテクスチャを貼り付けたほうがいいですが、今回みたいにそんなしっかりしたディティールが必要ないものは3Dソフトに備え付けられた質感表現の機能で十分です。
<必要なものを作り終えたら複製して配置しよう>
3Dの最大の利点としては複製できることにあります。一度オリジナルを作ってしまえば、正確なものが思う存分複製できます。
これを利用して必要な箇所にどんどん配置していきましょう。
(コースロープ、飛び込み台等複製しました)
実際に絵で見える箇所だけ作ったらモデリングは完了です。
(時間があってなんかもやもやするようでしたら全部作って完成させましょう)
<撮影準備>
モデリングが完了したら撮影を進めていきます。
まずは準備です。
正確に配置できるように背景として使用する絵を用意します。直接パースラインなどを描き込むと実際撮影する時にわかりやすいです。
これを撮影する3Dソフトの背景に配置します。(ソフトにより設定は変わります)
<カメラの調整>
カメラを動かしてガイドに正確に合うように調整します。
この時カメラの画角に注意してください。
人物を先に描いたなら人物に合わせるようにして画角を調整してください、逆も然りです。
なぜ画角に注意する必要があるかというと、望遠の背景に広角の人物がいるとおかしいからです。
<ライティング>
カメラの配置を終えたら次にライティングです。
すでに人物を描いているなら人物を基準にライティングをしていきましょう。
今回は屋外の背景なので、基本的に太陽の位置を意識すれば大丈夫です。
<質感の設定>
前の項目で色分けをしていますので質感を付けていきます。
といってもこだわってもあまり見えないので、プールサイドのざらざらした質感とプールの中の水に質感をつけました。
<レンダリング>
各設定をしましたらレンダリングをしていきます。
ポリゴン数やマシンスペック等により時間はまちまちですが、アニメや映画などを見ておとなしく時間を潰しましょう。そのうち終わるので^^
<合成>
レンダリングが終了しましたら人物と合わせます。
レンダリングをしたままの背景は、ちょっと3Dっぽくそのままでは使えません。
そこでレタッチをする必要があります。
<レタッチ>
今回の記事はあくまで背景を3Dソフトで作ることなので、今回は省きます^^;
この背景をイラストとして違和感ないようにするには、プール施設の奥の背景(空と山)とプールの水面の描き変えと、仕上げとして色味の調整が必要になります。
最後に
今回は背景に3Dを活用する方法を描きました。
最後のレタッチの方法は今回省きましたが、空と山については以前記事にしましたので参考にしてみてください。
↓↓↓↓↓
雲を描いて絵に味を出そう!! 雲の描き方の紹介 ~前編~ - ネオログ
雲を描いて絵に味を出そう!! 雲の描き方の紹介 ~後編~ - ネオログ
背景を描いてイラストの密度をあげよう!! 山の描き方 - ネオログ
水面の描き方についてはまた後日ご紹介したいと思います。
それでは!!